住宅ローン利用者調査(2026年1月)から読み解く、いまの住宅ローン事情と賢い選び方


住宅ローンを検討している方にとって、「実際にどんな人が、どんな条件で住宅ローンを借りているのか」は非常に気になるポイントではないでしょうか。

住宅金融支援機構が2026年2月20日に公表した「住宅ローン利用者調査(2026年1月)」は、2025年4月~9月に住宅ローンを借りた人を対象に行われた最新の実態調査で、いまの住宅ローン市場のリアルな姿を映し出しています。

本記事では、この調査結果をもとに、

  • 借入金利や金利タイプの傾向
  • 返済期間・融資率・返済負担率
  • 金利上昇局面での利用者の意識
  • これから住宅購入を考える方への実践的アドバイス

を分かりやすく解説します。


借入金利は「年0.5%超~1.0%以下」が最多に

調査によると、実際に利用された住宅ローンの借入金利は「年0.5%超~1.0%以下」が53.4%で最多となりました。

一方で、前回調査と比べると「年0.5%以下」の割合は減少し、「年1.0%超~1.5%以下」が増加しています。

これは、日銀の金融政策変更を背景に、住宅ローン金利がじわじわと上昇局面に入っていることを反映した結果といえるでしょう。

これから住宅ローンを検討する方は、「超低金利が当たり前」という前提を見直し、金利上昇を織り込んだ資金計画が重要になっています。


返済期間は35年以内が主流、40年超ローンも選択肢に

返済期間については、「30年超~35年以内」が38.9%で最多でした。

近年は「40年超」の超長期ローンも選択肢として定着しつつあり、月々の返済額を抑えるために返済期間を長く設定する人が増えています。

ただし、返済期間が長くなるほど総返済額(支払利息)は増える点には注意が必要です。

「毎月の支払額が無理なく払えるか」だけでなく、「将来の家計や老後資金まで含めて無理がないか」を考えた設計が欠かせません。


融資率は90%超が最多。自己資金は少なめ傾向

融資率(物件価格に対する借入額の割合)は、「90%超~100%以下」が24.1%で最多となっています。

頭金をあまり入れず、フルローンに近い形で購入する人が一定数いることが分かります。

自己資金が少なくても住宅購入が可能な一方で、

  • 住宅ローン残高が大きくなりやすい
  • 金利上昇時の影響を受けやすい
  • 住み替え時に残債割れのリスクがある

といったデメリットもあります。資金計画は慎重に立てる必要があります。


金利タイプは依然「変動型」が7割超。ただし固定志向も増加

利用された金利タイプは、

  • 変動型:75.0%
  • 固定期間選択型:14.9%
  • 全期間固定型:10.1%

となりました。依然として変動金利が主流ですが、前回調査からは変動型が減少し、固定系が増加しています。

これは「金利は今後上がるかもしれない」という不安が、利用者の意識に影響していると考えられます。


約7割が「今後1年で金利は上昇する」と予想

今後1年間の住宅ローン金利の見通しについては、73.7%が「上昇する」と回答しており、前回調査からさらに上昇しています。

多くの利用者が「これからは金利が上がる局面」と認識していることが分かります。

にもかかわらず、変動金利の利用割合は依然として高水準です。

この背景には、「今の金利の低さ」を重視して選択している現実がありますが、将来のリスクをどこまで織り込めているかが大きな課題といえるでしょう。


金利リスクの理解度は十分とは言えない

変動金利・固定期間選択型の利用者を対象にした調査では、

  • 金利見直しのルール
  • 返済額がどう変わるか(5年ルール・125%ルールなど)

について、「よく理解していない」「少し不安」と答えた人が4~5割以上にのぼっています。

つまり、金利が上がったときに、実際に自分の返済額がどう変わるのかを正確に理解していない人が多いというのが現実です。


返済額が上がった場合、対応に迷う人も多い

将来、金利上昇で毎月の返済額が増えた場合の対応については、

  • 1万円増 → 約6割が「そのまま返済を続ける」
  • 3万円増 → 「繰上返済や借換えを検討」が増加
  • 5万円増 → 「どうしていいか分からない」という回答も一定数

となっており、金利上昇が家計に与える影響は決して小さくありません。


これから住宅購入を考える方への3つのポイント

調査結果から、これから住宅ローンを組む方に特に意識してほしいポイントは次の3つです。

① 金利上昇を前提にした返済シミュレーションを行う
今の金利だけでなく、「将来1%~2%上がった場合でも家計が耐えられるか」を確認しましょう。

② 返済期間・借入額を“借りられる額”ではなく“返せる額”で考える
長期ローンは月々の負担を軽くしますが、将来の収入減少や教育費・老後資金も考慮する必要があります。

③ 専門家の意見を活用する
調査では、住宅ローンの相談先として「住宅・販売事業者」が最多でしたが、ファイナンシャルプランナーなど第三者視点のアドバイスも有効です。客観的なライフプランに基づいた住宅ローン選びが、後悔しない住宅購入につながります。


まとめ

住宅金融支援機構の最新調査からは、

  • 住宅ローン金利は上昇局面に入りつつある
  • 利用者の多くは変動金利を選んでいるが、将来不安も感じている
  • 金利リスクを十分に理解できていない人が少なくない

という実態が見えてきました。

住宅ローンは、人生で最も大きな金融商品とも言える選択です。

「いまの金利が低いから」という理由だけで決めるのではなく、10年後・20年後の家計まで見据えた住宅ローン選びが、これからの時代にはより一層重要になってきます。


※出典:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2026年1月)」

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